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省エネ・低炭素+災害に強いまちづくりのために

北海道ガスでは、該当するエリア全体で使う電気や熱を生産し効率的に供給する「エネルギーセンター」を、北4条東6丁目と新さっぽろ駅周辺地区の2カ所で稼働させています。「46エネルギーセンター」は北4東6再開発地区にある複数のスポーツ施設と集合住宅に、「新さっぽろエネルギーセンター」は病院3棟のほかメディカルビル・商業施設・ホテル・分譲マンションなどの新さっぽろ駅周辺地区にエネルギーを供給しており、どちらのエネルギーセンターも、省エネ・低炭素で、災害に強いまちづくり(強じん化)への貢献を特徴としています。

省エネを適正に効率よく実現するシステム「CEMS」

「46エネルギーセンター」も「新さっぽろエネルギーセンター」も、「CEMS(セムス/地域エネルギーマネジメントシステム)」を導入しています。CEMSはエネルギーセンターを効率よく運営するためのシステムで、電力や熱の供給だけでなく、マンション居住者などエネルギーを使うみなさんの省エネ行動にも踏み込んでいます。

例えば、エリア内で使う電力量(需要)に対して供給量の逼迫(ひっぱく)が予測される際には節電行動を促すメールをお客さまに送信し、節電に応じていただくことによって電力使用量を制御する「デマンドレスポンス」の取組です。さらに、新さっぽろ駅周辺地区ではより踏み込んで、供給先の建物の共用部など、一部エリアの室温をエネルギーセンターでコントロールし、快適性の範囲内で省エネな温度設定に切り替えています。

これらにより、過度に冷暖房を使用することなく適正な室温に自動で調整され、結果、エリア内の利用者も協力して省エネ・低炭素に貢献できるようになっています。

各建物や利用者のエネルギー使用情報をエネルギーセンターとリアルタイムで連携。CEMSを中心とした制御により、エリア一帯の省エネを実現します。

再エネの普及促進にも貢献! コージェネレーションシステム

もう一つ、省エネ・低炭素に加えて災害に強いまちづくり(強じん化)に貢献するのが「天然ガスコージェネレーションシステム」(以下「コージェネ」という)です。ガスエンジンやガスタービンなどによってエネルギーをつくるコージェネは、高効率で発電し、その際に出る排熱を暖房・給湯などに利用できるため、北海道のような暖房・給湯の使用量が多い積雪寒冷地では、この排熱を有効に利用することができます。また、強じん化の面では、都市ガスは地震に強いガス管を導入しているほか、供給エリアを細かく分けているためガスの供給が緊急停止しても該当するエリア以外への影響が最小限に抑えられるなど、インフラの中でも災害時の供給継続性が高く、ガスが供給できている限りは停電時でもコージェネにより発電、電力を供給することができます。

例えば、さっぽろ創世スクエア(札幌市中央区)は、コージェネ・自家発電によって停電時でも照明や空調が利用可能となっており、2018年の北海道胆振東部地震でのブラックアウト時にも発電し、観光客や帰宅困難者の受け入れも行われました。

弊社では30年ほど前からコージェネに取り組み、当初は重要視されていなかった停電時の発電ノウハウを蓄積してきました。再生可能エネルギー(以下「再エネ」という)がクローズアップされてきた近年は、ガスエンジンのコージェネの需給調整力が注目されています。

太陽光や風力などの再エネは季節や天候で発電量が変動しますが、ガスエンジンは起動が早く、再エネの発電量の増減に対してガスエンジンの出力の上げ下げですぐに対応できる特性を持つことから、これらを組み合わせることで電力の安定供給を可能にし、再エネの普及促進につなげることができるとして期待されています。

コージェネの種類と取り出されるエネルギーの使用例

再エネの地産地消が進行中

北海道は再エネのポテンシャルが非常に高いものの、これまでは、各地域の資源である再エネで発電した電気は地域外に販売され、地域内ではあまり利用されていませんでした。

弊社では「地域との連携によるエネルギーの地産地消モデル」として、地域でつくった電気や熱を地域のみなさんが消費できる仕組みづくりをお手伝いしています。再エネの地産地消により地域が活性化、元気になることを目指していることから、さまざまなエネルギー関連企業の中での競争力を持つために利益を考慮して過剰な投資はせず、発電所を含めた既存施設の活用も行っています。地域で消費しきれないくらい発電量が多い場合は、余剰の電気を札幌市を含む道内全域で使えるようにする取組も行っています。

地域資源を生かす分散型社会の形成やカーボンニュートラルに挑戦する北ガスグループ経営計画「Challenge 2030」では、2030年度時点で再エネ電源取扱量を15万kWとする目標を立てています。2023年時点での取扱量は約2万kWで、エネルギーの地産地消に向けた連携の拡大とあわせて、電力の安定供給に貢献するコージェネの普及拡大などにより、再エネ電源取扱量は順調に伸びていくと見込んでいます。

地域の再エネを地域内で循環させる「地産地消のエネルギーモデル」として、2024年現在8市町村と連携。2030年度までに30カ所程度を目指しています。

エネルギーを「減らす」「選ぶ」「つくる」で、ゼロカーボンへ

大事なのは、省エネで使用量を減らし、その上でエネルギーを選ぶことです。選ぶのは、CO2排出量が少ない再エネを利用した電力メニューです。「北ガスの電気」はその電源として、自社の石狩発電所等のコージェネを主体に、道内の再エネを活用しています。さらに、太陽光パネルや弊社の家庭用コージェネなどで電気をつくる一般家庭も増えています。エネルギーを「減らす」「選ぶ」「つくる」という流れが、札幌市や私たち事業者だけでなく、市民のみなさんの間でも進むと、ゼロカーボンはぐっと近づいてきます。

新さっぽろエネルギーセンターでは施設見学を実施しているほか、2024年4月にリニューアルオープンした札幌市青少年科学館の企業ブースでは、子どもたちが遊びながら再エネなどについて学べる展示も行っています。ぜひ、こうした場所にも足を運んで、省エネや再エネへの理解を深めていただければと思います。

新さっぽろエネルギーセンターでは5名以上で見学予約を受け付けています。設備や中央監視の様子なども見学できます。
札幌市青少年科学館では、モーションセンサーで体験者の姿・動きを検出、リアルタイムで壁面に投影し、カーボンニュートラルに向けて大切な「省エネ・再エネ・CO2削減」について、体を動かしながら楽しく学ぶことのできる新たな展示を設置しています。
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