スマホで簡単!不要品の売却。
脱炭素に貢献するリユース(再利用)という選択肢
池﨑 敬 さん
株式会社マーケットエンタープライズ
おいくらカンパニー カンパニー長
会計・税務システムのソフトウェア会社にて営業職に従事。その後、大手不動産プラットフォーム事業を展開する企業で営業職、サービス設計、事業戦略立案、組織・事業マネジメントを経験。現在は、マーケットエンタープライズにてリユースプラットフォーム「おいくら」の責任者を務める。2023年9月、札幌市と「リユース活動の促進に向けた連携と協力に関する協定」を締結し、「おいくら」を用いたリユース促進の事業連携を開始。
「おいくら」でリユース!持続可能な社会の実現へ
〜私たちができること〜
株式会社マーケットエンタープライズは、「持続可能な社会を実現する最適化商社」を長期ビジョンに掲げ事業を展開しており、ネット型リユース事業を中心に、内閣府が行っている「地方創生 SDGs 官民連携プラットフォーム」*1への参画や、「楽器寄附ふるさと納税」*2実行委員会の一員として活動を続けるなど、官民の垣根を超えて、SDGsへの取組に注力してきました。「おいくら」というリユースプラットフォーム(不要品を売りたい人と全国のリユースショップをつなぐWebの一括査定サービス)も、持続可能な社会の実現に貢献ができるものと自負しております。
「おいくら」は、家電、家具、趣味品など、幅広い品物に対応した買取の一括査定サイトです。スマホやパソコンで売りたい商品の情報を一度入力するだけで、複数のリユースショップにまとめて査定を依頼することが可能で、事前査定の金額やショップの情報、口コミ等を参考に比較・検討し、不要品を売却することができます。
私たちは、この「おいくら」を通じて、誰もが安心してリユース体験ができる環境を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。
*1 官民連携による地方創生・SDGsの達成を目指すために、地域が抱える課題を登録することで、民間団体等から課題解決につながる提案を受けることができます。
https://future-city.go.jp/platform/
*2 ふるさと納税の仕組みを活用し、自治体を通じて学校などが持つ楽器を寄附すると、楽器の査定額分の税金が控除される制度。
https://www.gakki-kifu.jp
リユースで「もったいない」を「ありがとう」に
~札幌市との挑戦~
リユース市場は拡大を続けており、2023年には3兆円を超えました。さらに、リユース経済新聞の調査(2023年実施)*3によると、2030年のリユース市場規模は推計約4兆円に上るとみられています。これには、環境意識の高まりに加え、物価高の影響で低価格志向が根強くなっていることも影響しており、最近では新品で買ったものが中古として販売される二次流通のみならず、中古で買ったものが再び中古として販売される三次流通の活発化など、複数回のリユース取引が発生することも珍しくなくなってきました。
しかしながら、リユースの浸透がより拡大していくと考えられる一方で、環境省の2021年度のリユース市場規模調査*4では、リユースを「過去1年間では利用したことはない」と回答した人の割合が、増加傾向にあるといったデータも出ています。この相反する結果は、リユースを積極的に利用する層と未利用層の二極化が進んでいるためと捉えています。
多くの不要品がまだ使えるのに捨てられる「もったいない」状況は、札幌市が目指すゼロカーボン都市の実現にとっても解消すべき課題の一つではないでしょうか。繰り返し使うリユースによって製品寿命が延びることで、原料調達から廃棄に至るまでに排出されるCO2も抑えられます。
「おいくら」では、まだリユースを体験したことがない方々に、リユース体験をしてもらえるかが重要だと考えています。「手間や時間がかかりそう」「不要品を売却したことがないので自分にもできるかどうか不安」などの心理的負担を払拭することができたら、未経験層のリユース活用が一気に加速していくでしょう。
こうした現状を踏まえ、市民のみなさんに「捨てる前にリユース」という選択肢があることを知っていただきたいという思いが札幌市と合致し、2023年9月に「おいくら」を用いたリユース促進の事業連携を開始しました。
*3 リサイクル経済新聞 2023年7月10日掲載記事
https://www.recycle-tsushin.com/news/detail_8561.php
*4 出典/令和3年度環境省リユース市場規模調査報告書
未来への一歩を、リユースから
~札幌市民みんなで始めよう!~
事業連携後、「おいくら」の情報は札幌市のホームページ上に掲載され、捨てる前にリユースの選択ができるようになっています*5。この取組により、2023年9月28日からの連携開始後、2025年1月31日までに、累計で8,000点以上の不要品に対して廃棄ではなくリユースするという選択がなされました。
小さな一歩かもしれませんが、リユースの促進を通じて、ゼロカーボン都市の実現に向けての着実な歩みになっていると考えています。
ゼロカーボン社会では、リユースやシェアリングなど、製品寿命を延ばす行動がこれまで以上に重要になります。「物を使い終わったら捨てる」のではなく、「リユースする」ことを前提とした行動に、私たち一人ひとりの意識を変化させていく必要があります。
まだリユースを経験したことがない方も、まずは一度、「おいくら」を通じて不要品のリユースに取り組んでみませんか。
*5 https://www.city.sapporo.jp/seiso/gomi/genryo/reuse_oikura.html