ゼロカーボン都市さっぽろ
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環境負荷のジレンマから、エコな給水システムへ

私たちの会社は1969年に埼玉県で創業し、2005年から市場でのニーズの高まりを受けてボトル式ウォーターサーバーの取り扱いを開始しました。しかし、ワンウェイ(使い捨て)ではなくても、プラスチックボトルは最終的に廃棄することになり、ボトル運搬時に発生するCO2などの環境負荷も大きく、事業を続ける中でジレンマを抱えていました。

環境負荷を軽減するビジネスモデルへ転換したい。そう考えて、高機能なフィルターで水道水をろ過し、純水およびミネラル成分のみを残した浄水がつくれる水道直結型ウォーターサーバー「ウォータースタンド」のレンタル事業をスタートし、業務を移行していきました。

製品イメージ
[水道直結型ウォーターサーバーの特長]
・高い安全基準が守られた水道水を原水とし、安心でおいしい水を提供する
・定期的な清掃、メンテナンスにより、高い水質を維持することができる
・ボトルの注文や交換が不要

それと同時に、私たちだからこそできる社会貢献として、2019年から「ボトルフリープロジェクト」と銘打って、マイボトルへの給水の呼びかけとプラスチックボトルの削減、気候変動、環境問題に取り組んでいます。目標は「2030年までに国内の使い捨てプラスチックボトル30億本を削減する」こと。

プロジェクトを始めた2019年は国内で約240億本のPETボトルが出荷され、そのうち約10%がリサイクルされずに廃棄されている(※1)ことを知り、30億本削減の目標を決めました。
※1 出典:PETボトルリサイクル推進協議会発行「PETボトルリサイクル年次報告書2020」

マイボトルに給水しやすいウォータースタンド
マイボトルに給水しやすいウォータースタンド。設置台数から使い捨てプラスチックボトルの削減本数を推計している

【マイボトルを使うと何が変わる?】(ボトルフリープロジェクトWEBサイトより)

プラスチックごみの削減
その都度購入して捨てるペットボトル飲料から、お気に入りのマイボトルやマイタンブラーなど、繰り返し使えるボトルに切り替えるだけで、プラスチックごみの削減につながります。
飲み物代の節約でお財布にやさしい
毎日150円のペットボトルを1本買えば、1ヵ月で4,500円、年間54,000円の出費に。自宅で入れた飲み物をマイボトルで持ち歩くだけでドリンク代の節約になります。
環境に貢献
ペットボトルやプラスチック容器による廃棄物の削減や処理の際に発生するCO2が削減されます。
どこでもカフェ
保温・保冷機能の高いステンレスボトルは、いつでも飲みたいときにちょうどいい温度の飲み物が飲めます。

札幌市内に、無料給水スタンドを設置

ボトルフリープロジェクトは、全国の自治体など多くの方々と連携しながら取り組んでいます(全国100の自治体と協定を締結)。具体的には、公共施設などに給水スタンドを設置し、マイボトルを持参する方に無料で利用していただくほか、環境に関するイベントに参加し、マイボトルの普及やプラスチックボトルが環境に及ぼす影響などを伝えています。

札幌市とは2023年2月に「ゼロカーボンシティの実現に向けたライフスタイルの変革に関する連携協定」を締結しました。マイボトル利用の促進を通じてライフスタイルの変革を呼び掛け、使い捨てプラスチック製品の使用抑制による温室効果ガスの削減やプラスチックによる環境汚染の防止等につなげることが目的です。
現在、市役所や水道局など市内6施設に給水スタンドを設置しており、マイボトルを持参いただければ、どなたでも無料で給水することができます。

ワクワクできる取り組みを、皆さんと一緒に

「2024さっぽろ雪まつり」期間中、札幌市環境局が大通公園6丁目会場に設置したブース内や札幌市が地下歩行空間で実施したイベント「デコ活inチカホ」(雪まつり期間中の1日のみ)で給水スタンドを置き、季節柄お湯の給水を希望される方にご利用いただきました。また、8月には夏休みの親子イベント「環境広場さっぽろ2024」にも給水スタンドを置きました。イベントに参加すると、まだ市内の給水スタンドの認知度が低く、もっと広くお知らせすることが必要だと実感します。
これは大阪府で行われたアンケートですが、約9割の人がマイボトルを持っているけれど、日常的に携帯している人は約4割だそうです(※2)。私たちは何とか残り5割の人たちにも、マイボトルを利用していただけることを願っています。

環境活動というと、何かをガマンしたり、やめたりしないとできない、といったイメージがあるかもしれませんが、それは難しいですよね。以前私たちが「オリジナルボトルを作ろう」というイベントを行ったところ、多くの子どもが楽しみながら参加してくれました。お気に入りのマイボトルを使うことで、楽しく、自然と環境活動につながっていく。そんなワクワクできる取り組みを、今後もいろいろな皆さんと協力してつくり出したいと思っています。 ※2 出典:大阪府政策マーケティングリサーチ「おおさかQネット」(R2)「マイボトル及びマイバッグの利用状況」に関するアンケート

雪まつりでの給水スタンド
雪まつり期間中、1日は札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)にも給水スタンドを設置し、マイボトルへの給水をよびかけた
環境広場さっぽろ2024
「環境広場さっぽろ2024」で給水スタンドを利用する子どもたち
オリジナルボトルを作る
オリジナルボトルを作るイベントで、思い思いの絵を描く子どもたち
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